(2019年5月9日初稿)
最近日向坂46にハマるようになってふと思ったのが、「そういえば、アイドルの歌詞って一人称が僕の曲が多いな」ということです。
男性が女性の視点を歌う、逆に女性が男性の視点を歌うことはよくあることですが、それにしてもアイドルの場合「僕」が主体になっている歌が多いなと思ったんです。
試しに最近買った日向坂46がまだ「けやき坂46」だった時のアルバム「走り出す瞬間」の歌詞カードを見てみましたが、なんと16曲中13曲の歌詞の一人称が男性視点でした。
その13曲中12曲が僕で、1曲が俺でした。
一人称が男性ではない曲は「ひらがなけやき」「誰よりも高く飛べ」「ひらがなで恋したい」のみでした。
しかしその3曲も男性視点を表す僕などの言葉が出てこないだけで、女性視点の歌詞と断言できるわけではありません。
日向坂46のデビュー曲である「キュン」も僕が主体となっている曲でした。
「君」という言葉もたくさん出てくるので、「僕」が「君」に対して歌っている曲が多いみたいですね。
色々調べてみると、AKBグループだけではなく「ももクロ」などの昨今の女性アイドル歌手の曲でも僕が多用されていることがわかりました。
歌詞も担当している総合プロデューサーの秋元康さんは歌詞に「僕」を多用していることについて「意味はない。曲作りはメロディー先行」と答えているようですが、あまりにも多用しているし、おニャン子の時代には女性視点の曲が多かったみたいなので、本音を言っていないだけでやはり何か理由があるのだと思います。
目次
アイドル曲の一人称に僕が多い理由を考察
作詞家の意図をしることはできないので明確な答えがあるわけではないですが、気になったので僕の考えを述べていきます。
疑似恋愛を演出
おそらくこの説が濃厚じゃないかと思います。
アイドル自身が男性視点で君「アイドル」と恋している僕「ファン」の気持ちを代弁することで、ファンに物語を与え疑似恋愛を体験させているのではないでしょうか。
ファンに「僕」は自分のことだと思わせて、共感を誘発させているのです。
女性アイドルは男性に共感してもらってCDやグッズを購入してもらわないといけないので、当然のことです。
男性は男性視点のアイドル曲を聴けば聞くほど、自分の気持ちに刷り込まれていくわけですね。
とても悪い言い方をすると洗脳です(笑)
いい言い方をすると「こんな風に好きになってね」というアイドル(偶像)の願望を歌っている道しるべ的な曲ともとれます。
それによって集めたファンを握手会などの会えるイベントに誘導して疑似恋愛させるのですから、完璧なシステムだと思います。
それわかっててハマってCD買ってる僕(筆者)はたぶん頭おかしい。
アイドルは積極的に恋愛できないから
男性視点なら恋の歌を歌っても女性が積極的に恋愛をしていることにはなりません。
日向坂46がどうかはわかりませんが、恋愛禁止をうたっていたAKBグループですので、女性視点で積極的に恋愛をしている描写が歌詞に混じると、違和感を覚える人がいるのではないでしょうか。
視点を男性の歌詞にすることで、女性が恋愛していることにならず、嫉妬も生まず、直接的な恋愛表現もできるようになります。
攻撃と防御、両方上手くできている「僕」と「君」の歌詞は素晴らしい発明だと思います。
ジェンダーレス
女性に僕として歌わせることで歌のジェンダーレス化を狙っているともとれます。
秋元さんの気持ち?とも思いましたが、明らかに中高生の男子の心情を思わせるような歌詞が多いですね。
僕といっているけど女性の視点?とも思いましたが、内容的にそうではなさそうです。
女性が女性の視点で、もしくは男性が男性の視点で歌うと歌手自身の気持ちを歌っているように思われがちだと思うんですが、一人称を逆にすることによっていい意味でフラットに聞こえて生々しくないんですよね。
それが大きな共感を生んでいる要因にもなっているのかもしれません。
3つの理由を考えて思ったこと
上記したことを考えているうちに、とあることが思い浮かびました。
アイドルは仲介業!?
女性アイドルの歌詞の一人称に僕が多い理由を考えているうちに、「アイドルってなんやねん!?」と思ったんですよね。
構造を考えたり、曲解するのが大好きな僕ですので(笑)色々と考えてみようと思いました。
そして思ったのが、「アイドルは主役だが媒介者という役割でしかない」ということです。
ほとんどのアイドルはシンガーだけどソングライターではないですよね。
アイドルはクリエイターと購買者をつなぐ架け橋です。
上記しましたがAKBグループの作詞は秋元康さんがしています。
曲の中でメンバーの彼女たちが自身のメッセージを発しているわけではありません。
でも作詞家の秋元さんが自分で歌うより明らかに曲は売れますよね(笑)
アイドルは作詞家や作曲家が生み出したものを世の中に最大限届けやすくする存在なのだと思います。
歌もダンスも一流ではないのに、一流とかわらない、もしくはそれ以上に人気があって人を集めて売り上げを上げています。
それってとてもすごいことじゃないですか?
クリエイターが作ったものを最大限に世に届けるための美しさであったり可愛さであったりキャラクターの良さだったりするわけです。
いわゆる彼女たちはパッケージでありますが、パッケージ自体も商品となっているんでしょう。
他の媒介者たち
でもこれって世の中に視点を広げてみると何も珍しいことじゃなくて、似たようなものはたくさん存在していますよね。
例えばモデルは服の広告です。
ほとんどのモデルの方々は自分では服を生み出していませんが、デザイナーが作った服をより見栄えのよい形でユーザーに届けていますよね。
ブロガーやアフィリエイターは広告主とユーザーとつないでいる存在です。
営業マンは商品をお客さんに届ける存在です。
ゆるキャラは地域の魅力を伝えるためにいます。
そしてアイドルは曲やグッズの広告です。
モデル、ブロガー、アイドル自身が商品を生み出していることもありますが、ほとんどの場合彼らは仲介者です。
・服の魅力を伝えてほしい!→モデル
・ネットで商品の魅力を伝えて欲しい!→ブロガー・アフィリエイター
・製品の魅力をお客さんに伝えて欲しい!→営業マン
・地域の魅力を伝えてほしい!→ゆるキャラ
・歌の魅力を伝えてほしい!→アイドル
全部一緒です。
自分なら
仲介者だって豊かになれますよ。
でも仲介者としての能力しかなければ、良いクリエイターが離れてしまえば生きていけなくなってしまう恐れがあります。
・ブランドとの契約を断たれたモデル
・広告主が目玉商品の販売をやめてしてしまったアフィリエイター
・地方自治体との契約を破棄されたゆるキャラ(そんなのいるのかわかりませんが笑)
・グループを卒業したアイドル
もちろん例外はありますけど、クリエイターから離れた媒介者ほぼ全員厳しい局面に立たされると思います。
そう思うと、やはり媒介者の立場だけでいつづけるのではなく、自分の商品を持つのが良いと思います。
アイドルなら徐々に作詞作曲や自分のキャラを磨く努力をし続けた方がいいでしょうし、ブロガーならnoteなどで自分の商品を作るのもいいでしょう。
モデルならデザインを学んでもいいでしょうし、営業マンなら営業マンを経験した視点から商品開発に口を出すようになってもいいでしょう。
僕なら歌動画をUPしたり昔書いた自作小説でもネット販売しましょう(冗談です)
とりあえずはこのブログの魅力を最大限にユーザーに届けるために、トップ画像をもっと可愛いものに変えようと思います(笑)
最後に
いかがだったでしょうか。
この記事ではアイドルという存在の構造を考えたときに媒介者という結論がでましたが、普段の僕自身はそんなこと考えずに単純にファンとして楽しんでいます。
その方が人生楽しいからです。
ブログを書くときは色んな変なこと考えながら書くのが好きなので、今日はこういうことを書きましたけどね。
多くのアイドルは歌もダンスも一流ではありませんが、とても輝いて見えます。
上にも書きましたけど、それって本当にすごいことですよね。
例え歌を生み出していなくても、彼女たちを通して発信することで完全にブーストしてます。
それだけ彼女たちはパワーのある存在なのです。
なので僕はこれからも彼女たちから元気をもらいつつ、おもしろきこともなき世をおもしろく生きていこうと思います。
それでは今日はこの辺で。
さよなら。