今回は最近話題の作業服メーカーのワークマンを改革した株式会社ワークマン専務取締役である土屋哲雄さんの【ワークマン式 しない経営】を読んだ感想をシェアします。

・事業会社のWebマーケティング担当社員として働いています。
【ワークマン式 しない経営】の対象読者
・事業会社のマーケティング担当者や経営者の方。
目次
概要と総評
結論から言うと、マーケティングに関わる方や、会社経営に関わる方などに読んでいただきたい良書です。
以下、主に学べること
・新たな視点での会社運営
・企業のポジション取り
・競合を生まない製品開発のコツ
・社員の育て方
・組織作りのコツ
以下からは特に個人的に学びになった部分を紹介します。
特に学びになった重要項目
特に学びになった重要項目
・32ページ 【競争相手のいる市場には行かない】
・53ページ 【入場券なしで殴りこんだアウトドア市場】
・57ページ 【ワークマンプラスを実現した6+1の視点】
・60ページ 【自社の強みはどこにある?】
32ページ 【競争相手のいる市場には行かない】
マーケティングであれ、新規事業展開であれ、市場を細分化し、どこをターゲットとするかという選択は、重要な戦略的意思決定になる。
・新規参入の脅威
・買い手の交渉力
・代替品の脅威
・供給者の交渉力
・業界内での競争
これらのファイブフォース分析が大切。
「製品が良ければお客様は自然に来る」というワークマンの考え方は理想だが、まずは何屋か明確にし、お客様の目につきやすくするマーケティングをしなければならない。
53ページ 【入場券なしで殴りこんだアウトドア市場】
アウトドア・スポーツウェア業界は既にブランドメーカー多数でレッドオーシャン状態だと思われていたが、【価格・機能性・デザイン性】で市場を切り分けると他社は高価格でデザイン重視している会社ばかりだった。
よって機能性に優れた安価なスポーツウェアはブルーオーシャン状態だった。
このように競合がひしめいていると思われる市場でも、基準を設けて市場を切り分けると眠っている需要が見えてくることがある。
57ページ 【ワークマンプラスを実現した6+1の視点】
ワークマンプラスを実現した6+1の視点
・自社の強みを見つける
・なければ強みを育てる
・進出市場を選定する
・市場を細分化してみる
・社員のやる気を引き出す
・小規模でテスト参入する
・問題なければ本格的に参入する
60ページ 【自社の強みはどこにある?】
自社の強みを把握するための項目
・製品力(差別化された製品)
・顧客関係力(固定客の囲い込み)
・運営力(現場の改善力、低コスト運営)
誰が何に価値を感じてお金を払ってくれたのか確認することが重要。
まとめ:現実主義的でノンストレスな経営
ワークマンという会社への感想
・データ主義なのでロスが少ない
・データ主義なので意見の相違によるいざこざが発生しにくい
・現実主義で頑張らない
・性善説での経営スタイル
経営者が理想主義だと余計なノルマを社員にかして社員のモチベーションを下げてしまいかねませんが、ワークマンはデータしか見ていない現実主義な経営です。
頑張らないために「しないこと」を把握しているため、逆に「やること」に対して注力できます。
余計なことをしないということは、ワークマンのマーケティングにおける「ポジショニング戦略」にも表れています。
最近ノリにノっているワークマンの本ですが、企業の運営・マーケティング・教育を学びたい方には優良な本でした。
ちなみに読んでいて思ったのですが、著者の土屋哲雄さんの考え方は「エッセンシャル思考」と通ずる部分があり、やはり最近注目を浴びているエッセンシャル思考の正しさが自分の中で裏付けられるきっかけとなりました。
こちらも大変人気の良書です。
今回は以上です。
今回シェアした内容は内容のほんの一部ですので、興味がある方は隅から隅まで読んでみることをお勧めします。